犬のしつけ

子犬の甘噛みの直し方(理由〜しつけまで)

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子犬が甘噛みをする理由は・歯の生え変わりでかゆい・遊んでいる・噛むと飼い主がリアクションをしてくれると思っているなどが考えられます。

子犬の甘噛みを治すには・噛みたい欲求を満たしてあげることが大切です。

犬の甘がみの原因5分類

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犬が甘噛みをする理由は次のようなものが考えられます。
①葉が生え変わる時期でかゆい
②ストレスが溜まっている
③上下関係を確認している
④遊びの延長
⑤本能

この5つの甘がみの原因を解説していきます。

①歯が生え変わる時期でかゆい

甘噛みをするのはほとんどが子犬です。
子犬は生後数か月〜半年で歯が生え替わります。
この歯が生え替わる時期はかゆみを感じるようです。

かゆみを紛らわせるために何か噛みたくなってしまうのです。
犬用のガムや噛んで遊べるおもちゃを与えてあげましょう。

②ストレスが溜まっている

犬はストレスが溜まると、発散させるために噛んだり、吠えたりする行動をとることがあります。
散歩が足りない、飼い主さんにかまってほしい、ご飯が足りないなどストレスの原因は何かを考えて、できる限り対応してあげましょう。

③上下関係を確認している

犬は元々群れで生活していた動物で、群れの中で順位付けをしていました。
新しく家族になった子犬は、家族の中での順位がわかりません。
甘噛みをして自分より強いか弱いかを確認している可能性があります。
もしかすると自分が一番偉いと思っていて、自分に従えと噛んでいるのかもしれません。
甘噛みをしてきたら叱って飼い主が「自分より上位」なのだと教える必要があります。

④遊びの延長

子犬同士はお互いに噛み合いながらじゃれて遊びます。
人間と遊ぶときにも同じような気持ちなのでしょう。
しかし、犬同士の場合には遊びの中で噛まれると痛いということを学んでいくのですが、他の犬と遊ぶ経験の少ない犬は噛み加減を学習する機会がありません。

自分が噛まれた時の痛みを知らないのでいつまでも甘噛みを続けてしまうのです。

⑤本能

犬には狩猟本能というものがあり、動くものに噛み付いて捕らえようとします。
人間の手や足はよく動かす部分なので、目の前で動いていると本能的に噛みつきたくなってしまうのは自然なことです。

犬の甘噛みを防ぐための解決方法

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愛犬の甘噛みを防ぐためには次の3を試してみるといいですね。

①噛んでもいいおもちゃを与える
②噛んではいけないものだと教える
③接し方に気をつける

この3つの方法から甘噛みを解決するようにしつけをしていきましょう。
それではそれぞれ解説していきます。

①噛んでもいいおもちゃを与える

子犬が甘噛みをしてきたら、噛んでもいいおもちゃを与えましょう。
これを繰り返すことで人は噛んではいけないということを学習します。

②噛んではいけないものだと教える

甘噛みをする子犬は手を遊ぶものと思っています。
甘噛みをしてきたら「痛い」と大きな声を出し、手を背中などの犬に見えないところへ隠します。
再び犬の前に手を出したときに、噛まなければ褒めてご褒美をあげます。
なんども繰り返すことで手は噛んではいけないと学習します。

③接し方に気をつける

犬は本能的に動くものに噛み付いて捕らえようとします。
手を犬の前でひらひらさせて噛み付くのを促すような遊びはやめましょう。
またロングスカートなど裾がひらひらしている服も避けましょう。
長い髪の毛もまとめて子犬の届かない位置を保ちましょう。

注意点

また甘噛みをしてきたときに、激しく怒る、叩く、押さえつける、口を抑えるなどのこういをすると、恐怖を感じ、より攻撃的な反応を起こしてしまう可能性があります。
甘噛みはいけないものだと教える必要はありますが、こうした行動はとらないようにしましょう。

ではより詳しく解説していきます。

噛んで良いおもちゃを与える

子犬はおもちゃにして良いもの、悪いものの区別ができません。そのため、タンスやソファ、机などの家具や服、タオルまで噛んでボロボロにしてしまうことがあります。

噛んで良いもの悪いものをきちんと教えることが大切です。使い古したタオルや服で遊ぶのは要注意です。

飼い主さんにとっては、古いからOKという判断ができても子犬にはその判断はできません。そのため遊ぶ道具は犬のおもちゃを使うようにしましょう。

ロープなど布製のおもちゃ

噛んで引っ張りっこをして遊ぶのにぴったりなおもちゃです。
遊び方は、ロープの先端を持って、反対の先端が地面を這うように動かします。この時注意するのがロープの長さです。あまり短すぎると子犬は飼い主さんの手もおもちゃの一部と思って噛み付いてしまいます。ある程度の長さがあるものを用意しましょう。

犬には狩猟本能があるので、地面を這うように動くものは小動物のように思え、喜んで捕まえに行きます。

あまりやりすぎると興奮して、唸ったて怒り出したり、飼い主さんから奪おうとすることがあります。奪われてしまうと、飼い主さんとの主従関係を教えるのが難しくなってしまうので、興奮させすぎる前に一度やめさせてクールダウンする時間を作るようにしましょう。

おもちゃを放させるときには、ロープを束ねて短くしていき、犬が口から放すのを待ちます。犬が放したら立ち上がって、胸のところにロープを抱きしめるようにします。犬が落ち着くまで待ちます。

犬が落ち着いたらロープを長くして、また地面を這うように動かし犬に追いかけさせます。

木のおもちゃ

木のおもちゃも噛みたいという子犬の欲求を満たしてくれるのに最適なおもちゃです。骨や皮などおやつのようなものもありますが、毎回それを与えているとカロリーオーバーになってしまうので注意してください。

木のおもちゃは適度な噛み応えもあり子犬も喜びます。

あまり噛みすぎると欠けたりささくれたりするものもあります。誤食や口を怪我しないように、おもちゃの状態を確認しておきましょう。

木の種類や防腐剤を使用していないかなど、購入する時には素材にも注意しましょう。

コング

コングは中には穴が開いていて、そこにフードを入れることができるおもちゃです。
犬は転がしたり、噛んだりしながら遊びながら中のフードを食べます。

中に詰めるフードは、コング専用のチューブのものもありますが、普段食べているドライのペットフードでも可能です。

ペットフードはコロコロの乾いたものと、それを水でふやかしたものを使います。

詰め方はまず、ドライのペットフードを入れます。次に水でふやかしたものを入れ、その上に、ドライのペットフード、ふやかしたものと交互に詰めていきます。

交互に入れることで、なかなか出ない時と、パラパラっとたくさん出る時があるので子犬が飽きずに遊んでくれます。

またフードを入れる時に指でギュッギュっと押し込んで入れると出にくくなり、押さずに入れると出やすくなります。

他にも噛んだら音がなるもの、鈴が入っていて加えて振ると音がなるものなど犬のおもちゃはたくさんあります。噛んでいいおもちゃを与えるだけで、犬の噛みたいという欲求が満たされ甘噛みをしなくなることもあるので、お気に入りのおもちゃを与えてあげると良いでしょう。

また、裾のヒラヒラした服は、犬の狩猟本能を掻き立てます。足元を噛んでくる原因は飼い主さんの服も関係があるかもしれません。

甘噛みが治らない場合

噛みたいという欲求を満たしてあげられるおもちゃを与えても、まだ甘噛みが治らないという場合には、対処法を行う必要があります。

1、「あっ」や「痛い」という

甘噛みをされたらすぐに大きく低い声で「あっ」や「痛い」と言いましょう。この時、顔も怒ったような顔をします。

大きく低い声で短い言葉というのがポイントです。

なぜなら母犬が子犬を叱る時には低い声で唸るからだそうです。子犬は本能として、低い声で言われると怒られていると理解するようです。

逆に高い声だと子犬は飼い主さんが喜んでいると勘違いしてさらに噛んでくることがあります。

普通の声で普通の表情では子犬に伝わりません。

甘噛みをされたら低い声で「痛い」と短く伝えることが大切です。

2、別室に行き子犬を一人にする

甘噛みをされ、低い声で「痛い」と言っても効果がない場合には、飼い主さんは部屋を出て、子犬を部屋に一人にしましょう。

やり方は、甘噛みをされる→低い声で「痛い」と言う→まだ噛んでくる→犬と目を合わせず無言で部屋を出る。です。

この時、部屋に家族がいて、犬が他の家族と遊び始めると意味がありません。家族も一緒に部屋を出ましょう。

また、おもちゃで遊んでいた場合にはおもちゃを片付けてから部屋を出ましょう。
こうすることで子犬は噛むと楽しいことがいっぺんになくなり、一人ぼっちになると学習します。

部屋を出る時間は1分程度です。

部屋に戻った後はすぐに犬と遊ぶのではなく、しばらく子犬に構わず過ごしてから犬と遊ぶようにしましょう。

3、無視をする

飼い主さん以外の人も部屋にいて、一緒に部屋を出るなど協力が得られない時には無視をする方法もあります。

低い声で「痛い」と言っても聞かない場合には、遊びをやめて犬に背を向けて無視をします。楽しいことがいっぺんになくなり、飼い主さんから相手にされない状況は犬にとって、とても嫌な状況です。

かわいそうにも思いますが、これを繰り返すことで噛むと嫌なことがあると学習し、噛み癖を治すことができます。

これらの行動は犬は甘噛みをした後すぐに行わないと意味がありません。甘噛みをしてきたらその場で行うようにしましょう。

飼い主側の原因も考えてみよう

噛み癖が治らないのは飼い主に原因があるかもしれません。

甘噛みが治らない原因は飼い主さんにある場合もあります。例えば、

 ・まだ子犬で噛まれても痛くないから手で遊んでいる
 ・甘噛みをしている姿をかわいいと喜んで見ている
 ・家族の中で噛んで怒る人と怒らない人がいる

このような場合、子犬は噛むことがダメだと学習しづらくなります。

痛くないと思わせている

手で遊んでいたり、甘噛みをされてかわいいと喜んでいると、犬は噛むと飼い主さんが喜ぶと学習します。そう覚えてしまうと、そこから噛むのはダメなことと教え込むのはとても難しいことです。

まだ小さく噛まれても痛くないからとこのような接し方をするのはいけません。

人によって接し方が違う

家族の接し方は統一するようにしてください。家族の中の誰かは噛んでも叱らないという人がいると犬は正しく理解できません。

勘違いさせてい

また、噛まれて「キャー」と高い声を出したり、手を引っ込めてしまうのは、犬は飼い主さんが喜んでいると勘違いしてしまいます。そうなると噛むと飼い主さんが構ってくれると思い噛んでくるようになります。

噛まれたら低い声で「痛い」と短く怒った顔で伝えるのが子犬には一番伝わりやすいのです。

その他

犬が甘噛みをしてきたら、マズルを抑えたり、人の手を犬の口の中に入れるというしつけの方法もありましたが、この方法は犬にとってとても辛いものです。この方法を行うことで、犬は「人の手は怖いもの」と学習してしまうことがあります。以前は甘噛みを治すしつけとして主流でしたが、現在はあまり勧められていない方法です。



こちらにしつけについて一番大切なことを書いたので、ぜひ一度読んでみてください↓

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