愛犬が悪いことをしたときに、叩いて教えようとする飼い主やその家族の方もいるかと思いますが、それは、今すぐやめてほしい叱り方です。
愛犬にも飼い主にもいい影響は与えません。
これは犬を飼う際に欲しくて飼った人というより、それ以外の家族で起こりがちなしつけのトラブルでしょう。
自分の事でなくても、叩いてしつけようとする人を説得するためにも少し読んでおくことをおすすめします。
叩いてしつけると犬は恐怖心を持つ
私たちも叩かれるのが嫌なように犬も叩かれることを嫌がります。
犬は飼い主に叱られ叩かれないように、顔色を伺うようになります。
どうして叩かれたのかが分からないので、いつ叩かれるか分からない恐怖心を持つようになるのです。
「叩いたら大人しくなったから、しつけとして叩いている」
これは、人間でいうと虐待です。
犬も同じなのです。
怖くて言葉を発しないところも、大人しくなるのも、顔色を伺い嫌われないようにするのも、人間も犬も一緒なのです。
しかも、しつけで叩くことは、飼い主である私たちにとっても良くありません。
怒る・叱る・叩くという行動はエスカレートしやすく、日常的なことになりやすいのです。
感情に任せて叱り方もエスカレートしたという人も少なくありません。
たたいてしつけをしていた飼い主の中には、犬が具合悪くて「助けて」のサインを出したことも気付かず、叩いたがいつもと様子がおかしいので病院へ連れて行ったら、犬の足が折れていたと不調を見逃しという声もあります。
このような事が色々と起こり、犬は、いつもビクビク・こわごわ行動し始めます。
中には緊張で失禁したり、叩かれることがストレスになり、病気に繋がり、寿命を縮めることがあります。
しつけが虐待にならないうちに、愛犬が恐怖心を持ってしまい飼い主との距離が出来る前に、しつけで「たたく」ことは今すぐにやめてくださいね。
たたきそうになったら深呼吸
しつけとして「たたく」ことが日常のこととなっているのを、すぐにやめるのは難しいかもしれません。
愛犬が悪いことをして叱るとき、まずは深呼吸をしましょう。
何度言ってもたたいても、愛犬が間違った行動をしてしまうのは、何に対して叱られ叩かれるか分からないからです。
きちんと愛犬に「間違ったことをしている」「悪いこと」だとしっかりと認識してもらうためにも、今一度立ち止まってみましょう。
犬は恐怖心を持つと、防御反応で攻撃しやすくなることがある
れると驚き恐怖となり、失禁・噛む・逃げる・吠えると反応します。
これは犬が悪いわけではなく、周りが全て敵だと、攻撃してるのだと思わせてしまった飼い主の責任でもあるのです。
事が大事にならないうちに「しつけ方法」を見直しましょう。
たたくしつけは愛犬と飼い主との距離をつくる
たたかれた犬は、どうして怒られたのか分からないまま過ごします。
例えば、トイレではないところでオシッコをした時「たたく」と、「トイレではないところでしたからなのか」「オシッコをしたのがいけなかったのか」迷います。
結果、分からないので、トイレを我慢→トイレには間に合わない→オシッコを漏らす→たたかれるとなることが多い傾向にあります。
犬は飼い主に怒られたくない・叩かれたくないと距離を置き始めます。
近寄ろうとしないし、ビクビク震えたり、甲高い奇声を発することもあるのです。
飼い主との距離どころか修復できないくらい不信感を持たれるのは、飼い主として寂しく悲しいことですよね。
たたいてしつけることもある?!
障害補助犬・介護犬・盲導犬などは、訓練の時にたたかれることもあります。
しかし、それは社会に出て人の目となり耳となる犬が、急な出来事に驚き、補助を必要としている飼い主の迷惑にならないように訓練するためです。
特別な訓練には、それなりの下地が出来ているメンタルの強さと責任感を持った犬が選ばれています。
さらに、ドッグトレーナーによってきちんとしたメンタルフォローもされているのです(全てのドッグトレーナーが正しいとは言えない状況ですが・・・)。
それだけに犬とトレーナーとの信頼関係や絆は深いものです。
しかし、私たちは、特別な補助を必要として犬を迎えたのではなく、一緒に暮らす家族の一員として迎えているはずです。
しつけで自分がされて嫌なしつけは、愛犬にもしないことが一番です。
愛犬は家族!ほめてのばして正しく叱ろう
愛犬は家族です。
正しい叱り方を知り、叱って落ち着いたらほめる。
しつけでたたくよりも、正しい叱り方をしたほうが、犬も「悪いこと」を認識しやすくストレスもかかりにくくなり長生きに繋がります。
飼い主も、たたいた後の罪悪感を持たなくてもいいとお互いにストレスがかかりにくくなります。
たたくしつけはデメリットが多すぎるので、他の方法にしつけの仕方を変えましょうね。
ただし、犬を猫可愛がりするのとは違うことだけは覚えておきましょう。