散歩から帰って家に上がる前には、犬の足を拭いてあげます。この足を拭くという行為が苦手な犬もたくさんいるようで、足を拭こうとして触ると吠えたり、噛み付いたりすることもあります。
足拭き用のタオル見えただけで興奮して吠えてしまう犬もいます。散歩は毎日のことなので、このような行動が続くと飼い主さんも困ってしまいますね。
犬が足を吹かれる行為が嫌いになってしまう原因には、色々なことが考えられますが、例えば、足を拭くときにジッとさせるため体を抑えられたことが嫌でトラウマになっていたり、家の中に家族や楽しいことがあるのですぐにでも家に入りたいという気持ちになっているということが考えられます。
足拭きをスムーズに行うためには犬を落ち着かせて、「足を拭かれることは気持ち良いことだよ。」「楽しいことだよ。」と思わせることが大切です。それでは犬の足を拭くトレーニングについて解説していきます。
準備:タオルとご褒美を用意する
タオルは濡らして硬く絞ったものを使います。タオルにじゃれついてしまうという場合には、ハンドタオルなど小さめのものを折りたたんで使うと良いでしょう。
ご褒美は、ドッグフードやおやつなどで普段から食べているものでも良いですし、特に足拭きが嫌いという場合には、特別なおやつを用意するのも効果があります。
膝に座らせて拭く方法
膝の上に座らせて拭く場合には、飼い主さんは椅子に座り、犬が座りやすいように膝を太ももから膝が水平になるように座りましょう。犬を膝の上に座らせたらまずは落ち着かせるために体を撫でてあげましょう。
犬が落ち着いたら足を拭きます。前足から拭いていきます。足を拭くときには少しだけ足を持ち上げます。高く持ち上げる必要はないので、少しだけ浮かせるくらいの気持ちで大丈夫です。
このとき、横や上に持ち上げると犬に痛みを与えてしまいます。そうすると「足を拭かれるときは痛い」と覚えてしまい、足拭きが嫌いになってしまうことがあります。痛みを与えないために関節が自然に曲がる後ろか前に少しだけ曲げるようにしましょう。
足を持ち上げたら優しく拭いてあげます。あまり時間はかけないように、3から5秒くらいで終わるようにしましょう。足を一本拭いたらご褒美をあげます。
反対の前足も拭いてご褒美をあげましょう。
後ろ足を拭くときには膝の上に立たせて拭きます。飼い主さんの体の方にお尻が来て膝の方に顔が来るように立たせます。足の上に立たせるときには滑りやすいので犬の胸かお腹を支えておきます。
後ろ足を持ち上げて拭いたらご褒美をあげます。
汚れをしっかり取ろうと時間をかけて拭いたり、力を入れて拭くと犬は嫌がります。これは足拭きが嫌いになってしまう原因にもなるので、足を拭くときには優しく短時間で終われるようにしましょう。
抱えて拭く方法
足を拭こうとすると暴れてしまう場合には抱えて拭く方法から始めるとやりやすいです。
飼い主さんは立って犬のお腹に手を入れてすくうように抱えます。4本の足が宙に浮いた状態になります。肘でお尻を支えて安定させましょう。犬が落ち着くまでこの姿勢で待ちます。
犬が落ち着いたら後ろ足から拭いていきます。一本拭いたらご褒美をあげながら、全ての足を拭いていきます。優しく短時間で拭くようにしましょう。
犬を座らせて足を拭くトレーニング
STEP1 おすわりをさせる
犬が興奮していると足拭きをしにくいので、まずはおすわりをさせて落ち着かせます。
STEP2 オテをさせる
犬が落ち着いたら「オテ」をさせます。オテをすると飼い主さんの手に前足を乗せてくれる状態になるので、足が拭きやすいです。硬く搾ったタオルで優しく拭いてあげましょう。片手ができたら「オカワリ」をさせて反対の手も拭いてあげます。
拭こうとすると嫌がって手を避けてしまう場合にはおやつをあげて気分を逸らします。
STEP3 後ろ足を拭く
前足を拭いたら後ろ足を拭きます。犬を立ち上がらせて片足ずつ拭いていきます。嫌がる場合にはおやつをあげて気分を逸らして拭きましょう。
犬を床に立たせて拭く方法
犬を床に立たせます。暴れてしまう場合にはリードを付けて短めに持ちましょう。おやつが中に詰められるおもちゃを使用します。おもちゃを犬の前に置き、犬が集中して食べ始めたら、前足から拭いていきます。少しだけ地面から浮かせて優しく短時間で終わるようにしましょう。4本全ての足を拭きます。
立った状態で足を拭くことができるメリットは、雨上がりや、雨が降っているときに座って待たせるとお尻が汚れてしまいますが、立ったままできるとその心配がありません。また、中型犬や大型犬など膝に乗せたり、抱えたりすることが難しい犬でも足を拭くことができます。
STEP1 タッテを覚えさせる
立った状態でじっとさせたい時のコマンドは「タッテ」です。タッテの指示はおすわりやフセができるようになった後の方がスムーズに覚えさせることができます。まだおすわりやフセができない場合にはそちらから始めましょう。
犬にフセをさせた状態で、飼い主さんは「タッテ」と声をかけて犬の鼻先にご褒美を摘んだ指を近付けます。犬が興味を持ったら、手を引きます。犬はご褒美につられて近付こうとするので立ち上がります。立ち上がったら褒め言葉をかけてからご褒美をあげます。
これを繰り返します。ご褒美を摘んでスムーズにできるようになったら、ご褒美は摘まず、手の誘導でできるようにしていきます。やり方は同じです。
「タッテ」と声をかけて手を鼻先に出し、手前に引きます。犬が立ち上がったら褒め言葉をかけてご褒美をあげます。
スムーズにできるようになったら手の誘導は辞め、声の指示だけでできるようにトレーニングします。
STEP2 足を拭く
タッテができるようになったら足を拭いてみます。足を拭くときには硬く搾ったタオルを使います。拭くときに注意するポイントは、手早く優しく行うことです。力強くゴシゴシと拭く必要はありません。痛みを感じると犬は足拭きは嫌なことと学習してまいます。
また足を持ち上げるときには関節が自然に曲がる方向に持ち上げるようにします。横に持ち上げると犬は痛みを感じるので足を触られるのを嫌がるようになることがあります。
痛みを感じたり不快に思うと犬は足拭きを嫌がり、足を拭こうとすると手に噛み付いて来たり、吠えたりするようになります。足拭きをスムーズに行うようにするためには「足拭きは楽しいこと」と思わせることが大切です。
「タッテ」と指示をして犬を立たせて置きます。前足を持ち上げて優しく拭きます。一本拭いたらご褒美をあげます。同じように残りの足も拭いていきます。足を持ち上げるとバランスを崩してしまう場合には腕をお腹の下に入れて体を支えてあげましょう。
STEP3おやつの回数を減らしていく
足を拭かれることに慣れて来たらおやつをあげる回数を減らしていきます。最終的にはおやつがなくても足を吹けるようになることが目標です。
足を一本ずつ拭くたびにあげていたおやつを前足を拭いたらおやつ、後ろ足を拭いたらおやつというように2回に減らし、それでも嫌がらなくなったら足を全て拭いたらおやつというようにしていきます。
散歩のたびに毎回拭くようにしていれば徐々に足拭きにも慣れて暴れなくなって来るでしょう。
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