柴犬のしつけや歴史、性格や特徴、病気など、柴犬について理解を深められるようにポイントをわけて書いています。
特に柴犬が体を触らせてくれない問題については、しつけの中心として解説しています。
柴犬が大好きな人、これから飼いたい人は参考にしてください。
柴犬の歴史
柴犬は、日本原産の日本犬の一種で、現在日本の天然記念物に指定されている日本犬種のひとつです。
柴犬という名前の由来には諸説あり、柴藪を巧みにくぐり抜けて猟を助けることからや、赤褐色の毛色が枯れ柴に似ていることから、小さなものを表す古語の「柴」からなどと言われています。
昔から本州各地で鳥やウサギなどの狩猟を手伝う犬として飼育されていました。
柴犬の特徴
見た目は短い毛に、ピンと立った耳、くるりと巻いた尻尾が特徴です。均等の取れたコンパクトな体型をしています。
小型犬に分類されていますが、小型犬の中では体格が良いので、体高はオスが38〜41cm、メスが35〜38cm程度、体重はオス、メス共に9kg~14kgに成長します。
寿命は12~15年程度です。
日本原産の犬種で縄文時代から人間と生活していたとも言われているので、日本の風土に適していて四季にも無理なく対応できます。
純血種特有の病気というのも特に見られず、丈夫なので初心者でも飼いやすい犬種と言われています。見た目は素朴で親しみやすい雰囲気があります。
被毛は真っ直ぐで硬いトップコートと柔らかく縮れたアンダーコートによる二重被毛になっていて、年に2回毛が生え替わります。
柴犬の習性
主人に対してはとても忠実で従順ですが、警戒心が強く知らない人にはあまりなつかないため昔は番犬として飼われていました。
社交性のある柴犬に育てたい場合は子犬のころからいろいろな人や他の犬に慣れさせておくとよいそうです。
賢い犬種なので、きちんとしつけをすれば無駄吠えも防げます。
一途で頑固な性格なのでいい加減な態度で接していると手に負えなくなってしまいます。
縄張り意識が強く小さな子どもがいる家庭には不向きとされています。
本来は小動物の狩猟を手伝う犬として飼われていたのでとても活発ですが、毎日十分な運動をさせていれば、室内で落ち着いて過ごすこともできます。
柴犬の種別
現在飼育されているのはほとんどが赤毛です。
くるりと巻いた尻尾も特徴的ですが、左巻きや右巻き、さし尾など個体によって違います。
柴犬は顔のタイプで『キツネタイプ』と『タヌキタイプ』に分けられます。キツネタイプは面長で細い顔と引き締まったスリムな体型で、タヌキタイプは丸顔でガッチリした体型です。
近年小型の犬が好まれる傾向があるため『豆柴』という名前を耳にしますが、正確には豆柴という犬種は存在しません。
柴犬の中で体格の小柄な犬をそのように呼んでいるようです。
小柄な親犬から生まれた子犬を豆柴と言って売っている業者もあるようですが、小柄な親犬から生まれたからといってその子が大きくならないとは限りません。
柴犬の育て方
柴犬の運動の目安
活動的な犬種なので、毎日の運動が必要です。
目安としては、成犬の場合1日に30分~1時間程度と覚えておくといいでしょう。
屋外でおもちゃやゲームで遊ばせたり、長めの散歩をさせたりしてみるといいですね。
ドッグランで解放して思いっきり走らせてあげるのも喜びます。
柴犬の食事の目安
丈夫な犬種で日本の風土にも適しているので、病気の心配はそれほど入りませんが、バランスの取れた食事を与えることが大切です。
犬の成長段階や健康状態によっても異なりますが、成犬の場合には、食事は1日2回が目安になります。
柴犬のシャンプーの目安
毛の色は赤、黒、白、胡麻があります。
被毛は短く手入れは簡単ですが、トップコートとアンダーコートの二重被毛になっていて、年に2回生え変わります。
シャンプーは月に1回でも大丈夫ですが、できるだけ毎日ブラッシングをして、こまめにむだ毛を取り除いてあげてください。
柴犬の病気
柴犬は丈夫で病気にかかりにくいのが特徴で、純血種特有の病気というのも特に見られません。
しかし、室内飼いやドッグフードの普及といった生活環境の変化のせいか、アレルギー性の病気がやや増加傾向にあるようです。
なりやすい病気は、皮膚疾患、中心性進行性網膜萎縮、膝蓋骨脱臼、股関節形成不全などがあります。
柴犬のしつけ方
柴犬との距離の縮め方はあるのか
柴犬は、飼い主と遊ぶことがとても好きです。
お散歩はもちろん、ボールの追いかけっこも喜びます。
「柴犬が体を触らせてくれないのはどうして?もっとスキンシップをとりたい!」
柴犬を家族として迎えたはいいけれど、なぜか触らせてもらえず、懐いてくれない。
柴犬を飼っている方で悩んでいる方も多いかと思います。
柴犬がどんな性格なのか知ると、体を触らせない気持ちが分かるかもしれませんよ。
柴犬の性格は小難しい?
柴犬は平安時代から愛されていた犬です。
猟犬としても活躍し、動くものを追うのが大好きです。
猟犬として活躍してきている柴犬は、独立心が強くリーダー気質で、飼い主に忠実で勇敢な性格です。
飼い主が襲われたら守るために立ち向かう性格でもあります。
それだけに番犬としても優秀で、信頼関係を強固に出来ると言われています。
その反面、襲われたりしないように警戒心が強いところがあり、見知らぬ人には近づかない・なれなれしさを嫌う・あくまでも主従関係が大事という頑固さも持っています。
さらにプライドが高く必要以上に人と接しないことと独立心の強さから、ベタベタ触られるのをストレスに感じます。
その性格は今も変わらず、信頼関係をしっかりと築いても、なれなれしくすることを嫌がる傾向にあります。
柴犬は、もともと体を撫でられたり、ベタベタされるのを嫌がる犬なのです。
こちらが上だという飼い主がベタベタと近寄ったり甘やかすと、主従関係が逆転し、余計に体を触らせなくなることがあるのです。
柴犬に限らず、犬が触られると嫌なところを知ろう
頭・口・足・しっぽ・耳は犬にとって大事なところで、急所とも言われています。
犬を撫でるとき、ついつい頭を撫でようとしてしまいがちですが、犬にとって嫌な部分を触られると警戒心が強くなり、反発します。
柴犬は、余計に警戒心を持ち反発しやすくなり、触らせない!と威嚇したり吠えたりする傾向にあるのです。
柴犬をすぐに触ろうとせず、先に主従関係をしっかりとさせ、犬の嫌がるところを触ったり撫でないようにしましょう。
柴犬にもそれぞれ性格の違いがあった
柴犬にも性格があり、飼い主にどう接してくるのかによって触らせるか触られるのを極端に嫌がるかが分かります。
〇飼い主に飛びついてくる
なつきやすい性格で、家に人の出入りが多い、ドッグランで他の犬と遊ばせることも期待できます。
柴犬の性格上、ベタベタ触りは嫌がりますが、構ってほしいときには寄ってくる傾向にあります。
〇慎重に距離を置く・ゆっくりと近づいてくる
賢く落ち着きがあるという反面、警戒心が強くなっています。
初対面の人には警戒し距離を置き、他の犬とも距離を置こうとします。
縄張り意識が強く出ていることがあるため、まずは警戒心を解くことが大事です。
こちらから甘やかすように近づくのではなく「大丈夫」と声をかけながら、少しずつ距離を縮めていきましょう
〇遠くに逃げる・しっぽが下がっている
臆病になっています。
恐怖から警戒心が強く、不安定になっている傾向にあります。
ムダ吠えをするようなら、何にムダ吠えをしているのかを知り、不安を取り除くことを優先にしてあげましょう。
〇興味を持たない・無関心
独立心が強く、頑固さが際立っています。
ドッグトレーナーにも協力してもらい、主従関係をしっかりと教えることが大事になります。
柴犬のしつけのポイント
ここで、一貫していたいのが飼い主の態度です。
言葉や行動はあくまでも飼い主が上であることを意識させるようにしましょう。
お散歩や一緒に遊んだりして、距離が近づいてきたからと、なれなれしくすると主従関係が逆転し、体を触らせなくなります。
主従関係
主従関係があって信頼できる関係になるには「自分にとって必要な飼い主・自分よりも上なのだ」と柴犬に自覚してもらうことが必要なのです。
自覚してもらうように持っていくには
・しつけは厳しめで甘やかさない
・態度は一貫性が大事
・甘噛みを早めにやめさせる
・運動でストレスを溜めない
・叱るよりもほめる
と、色々とありますが、簡単に言うと「適度な距離を保つこと」で、柴犬との距離が近づくのです。
柴犬のかまってパターン
適度な距離を置くことで、柴犬は「自分に嫌なことをしない人」と認識し、かまってほしいと近づいてきたらチャンスです。
思いっきり撫でたい気持ちを抑えて、アゴの下を撫でてあげましょう。
飼い主にとっては物足りないものですが、柴犬にとってはそれで十分満足なものなのです。
ツンとしているかと思うと、寄ってくる。
構わないでいると、構ってと近づいてくる。
柴犬は、気を許した相手でも適度な距離を好むので、飼い主のほうから触ろうと近づいたり甘やかすとかえって避けられやすくなります。
声かけ・散歩・遊ぶとお世話をきちんとして、あとは大きくどんとして気長に少しずつ距離を縮めていきましょう。
柴犬のしつけ方まとめ
柴犬は、一度信頼した飼い主には従順で、適度な距離を保ちつつも、寄り添ってくれるパートナーとなり頼もしい存在になる犬です。
特に、主人は一人、他の人には懐かないなどとも言われているので、信頼を得るまでが難しい犬でもあります。
柴犬が体を触らせないのには、柴犬の特性・気質など、それなりの理由があるので、じっくりと観察してスキンシップを取るなどし、しつけをしていってください。
犬がなつかない人や、犬がなつかない家族への基本的な対処を書いている記事も参考にしてください。
こちらは短い記事ですが、参考になるはずです。
https://nice-dog.com/training-2/