犬のマウンティングをやめさせたい!
そう思う飼い主も多いでしょう。
マウンティングをするには理由があります。
マウンティングをする理由は、愛犬の発情だけではないのです。
マウンティングをする原因を知って、愛犬を上手に躾し、マウンティングをやめさせるように向けていきましょう。
犬がマウンティングをする理由
飼い主の方がマウンティングを見ると「発情期だから仕方ないんだろうけど、恥ずかしい」という気持ちになるのではないでしょうか。
実は愛犬がマウンティングをするのは、発情期というのだけが理由ではありません。
マウンティングは目の前の相手に強さを示す行為でもあるのです。
散歩・ドッグランで、他の犬に自分の強さを見せる意味もこめてマウンティングするのです。
犬は縦社会の習性があり、権勢本能や服従本能から、マウンティングによって強さを示し、居心地のイイ関係を作ろうとするのです。
人間にマウンティングする場合のやめさせ方
飼い主やお客さんなど、人間にマウンティングをするようになったら、飼い主に強さをアピールしているというのが理由です。
これは、人間よりも自分は上だとアピールしているのです。
簡単にいうと、飼い主の場合は主従関係が崩れてきているサインになります。
マウンティングは発情期の行為だけではなく、強さをアピールし自分が上に立とうとする気持ちの表れなのです。
マウンティングを人間に行うようになると、自分が上なのだとわがままな犬になっていきます。
特にお客さんにマウンディングをするような犬になったら、だんだんと手がつけられなくなっていきがちなので気をつけたいところ。
躾を意識して愛犬のマウンティングをやめさせましょう。
マウンティングのやめさせ方の基本
マウンティングをすると、飼い主の方は恥ずかしい気持ちになり「やめなさい」と慌てて言ったり、なんとかやめさせようと他に気をそらせようとするかと思います。
この飼い主の行動は、愛犬にとっては「構ってもらってる」「喜んでいる」「自分が上だ」と勘違いします。
愛犬が勘違いしないようにするためにも、マウンティングを始めたら「無視」しましょう。
ちょっとではなく、完全に無視しましょう。
徹底的にです。
愛犬を無視してやめるのか、無視するのはかわいそうだと思う方もいるかと思いますが、最初に触れたように飼い主との主従関係が崩れて来ているサインです。
マウンティングをやめさせることは、主従関係をしっかりと教え、飼い主がトップなのだと学ばせるいいタイミングでもあるのです。
マウンティングのやめさせ方の流れ
0. 人間(飼い主)に対して愛犬がマウンティングを始める
↓
1. 無視する
↓
2. その場を離れる
↓
3. マウンティングが落ち着いたら犬の元へ戻る
これを繰り返します。
またマウンティングをし始めたら、無視をして、その場を離れると繰り返すことで、愛犬は「これはしてはいけないことなのだ」と学びます。
そして、飼い主が一番偉いのだと学びます。
これが一番シンプルな方法ですが、これ以外にも方法はあるので、上手くいかない場合は違う方法も試していくようにしましょう。
目的は主従関係で飼い主が上、愛犬が下であることを認識させることです。
その目的を実現するようにしつけの知識を使ってマウンティングをやめさせればいいのです。
他の犬にマウンティングする場合のやめさせ方
他の犬にマウンティングをする理由も上下関係をハッキリさせたい権勢本能や服従本能からの強さを示すという理由からです。
ただ人と違って犬同士でマウンティングをしている場合にやめさせるにはどうすればいいのでしょうか?
それをドッグラン、ぬいぐるみ、散歩などのケースで解説していきます。
ドッグランでマウンティングをやめさせるには
犬がドッグランでマウンティングを始めたら、無視ではなく、低音の声で「ダメ」と言うか、愛犬の名前を呼びましょう。
そして愛犬の腰を抑えます。
犬は、腰を抑えられると身動きがとれないため、飼い主を自分よりも力が強いのだと理解します。
声掛けは、しつけのときと同じ「低音」・短い「言葉」・いつも同じ「言葉」をかけることが大事です。
声掛け・腰を抑えることで愛犬は、散歩やドッグランなどでもマウンティングはダメなことだと学びます。
また腰を押さえるかわりにマズルコントロールを行うのもマウンティング防止の躾につながります。
ぬいぐるみやおもちゃにマウンディングをする場合
これはやめさせなければならいかは飼い主によって意見の違いが多いものです。
人の意見では発情行為に似ているということでやめさせたい場合も多く、犬からすれば本能を押さえつけられすぎた場合の代償行為の可能性もあります。
ぬいぐるみなど、おもちゃにマウンティングを始めたものをやめさせる場合は、おもちゃを取るのではなく、愛犬の腰を抑えます。
それからおもちゃを取ります。
マウンティングが悪いことなのかを考え、犬の気持ちも考えてあげる必要もありますね。
散歩でマウンティングをする場合
散歩のときにリードを取り、主従関係を教えるのが基本です。
マウンティングをやめさせながら、主従関係をもう一度しっかりと愛犬に教えることが大事になります。
飼い主のマウンティングをやめるようにしないと、散歩やドッグランでのマウンティングもやめさせることは難しくなります。
マウンティングをやめさせる「無視」と同時に、飼い主がリーダーであることを愛犬に教えていきましょう。
散歩のときには、愛犬の隣に立ち、リードをしっかりと持ちます。
愛犬に視線を向けないようにし、散歩を始めます。
せっかくの散歩なのに愛犬をみられない寂しさをぐっとこらえて、自分の行きたい方向へと散歩を始めます。
愛犬は主従関係が崩れ始めていると愛犬は愛犬で好きな方向に進もうとして飼い主を引っ張ろうとします。
ここで、ぐっと反対方向へと歩きます。
かわいそうに感じる方もいますが、この先の愛犬との関係を考えるととても大事なことなので、「今だけ」と思って取り組みましょう。
愛犬は、リードを取られ自分を見ない飼い主との散歩で、歩きにくくなり飼い主のほうを見て歩こうとします。
飼い主を見て歩くようになったら、ほめてあげましょう。
ただし、愛犬がまたリードしようとしたら、愛犬を見ずに反対方向へと歩きます。
愛犬の学習能力を活かし、散歩に取りいれることで、愛犬が飼い主をリーダーと再確認し崩れかけていた主従関係も戻ります。
主従関係をしっかりとすることで、飼い主へのマウンティングをやめて、わがままな愛犬になるのを止めると期待できるのです。
犬の社会性とマウンティング
内向的な性格の犬や、犬同士の場に慣れていない犬(社交の場にあまり出していない)などは、どうしたら一緒に遊んでくれるのか分からず「遊んで~」と周りの犬への、コミュニケーションアクションとして、マウンティングをすることがあります。
これは、育っている環境でも左右されることがあるので、子犬のときから社交性を持たせることでコミュニケーションアクションとしてのマウンティングをしないようにすることが大事です。
普段の遊びの中で、飼い主が愛犬に覆いかぶさってみたりすると効果的です。
腰を取られることが嫌なことだと感じたら、愛犬も他の犬にはしなくなるとも言われています。
また、犬同士でもマウンティングが本当に嫌な犬は、マウンティングをされると威嚇します。
威嚇されることで、この種類の犬はマウンティングを嫌がるのだと学習します。
社会性を養うために必要だという声もありますが、マウンティングを嫌がるのは、マウンティングをされた犬だけではなく飼い主も同じです。
愛犬が、他の飼い主から嫌な犬だと思われないように守るのも飼い主の責任ですね。
去勢手術をし、ある程度抑えるとこが出来ても100%抑えられないのがマウンティング。
愛犬との信頼関係・主従関係のためにも、愛犬のためにも、しつけや普段の遊び・散歩などでマウンティングをしないように躾をしていきましょう。