スピンとターンは片方ずつ教える
「スピン」と「ターン」は両方とも回るという意味ですが、犬のしつけの場合、スピンは反時計回り、ターンは時計回りを意味します。スピンとターンでは回る方向が違うのです。できるとかっこいい技ですが、少し難易度の高い技になります。
難しい技なので、初めは簡単なことから徐々に難易度を上げていくのがポイントです。スピンとターンは両方いっぺんに教えようとすると犬が混乱してしまいます。スピンだったらスピン、ターンだったらターンができるようになるまでどちらかだけを教えるようにしましょう。
スピンのしつけ方
STEP1 ご褒美・おやつの用意
犬の気を引くためにおやつを用意します。指先でつまめるほどの小さな物がいいでしょう。犬と向かい合っておすわりをさせます。左手におやつを持ち、右手で少量を千切ってつまむように持ちます。そしておやつを指につまんでいることを犬に認識させましょう。
STEP2 犬を誘導させる
鼻先におやつを持っていきます。犬が手をペロペロと舐め始めたら舐めさせながらゆっくりと大きく手を動かし、犬が回転するように誘導します。舐めながらさせるのは、犬がちゃんと付いてくるようにするためです。
手を素早くクルッと回してしまうだけだと、犬は回転できません。まずは回転する動作を覚えさせたいので、おやつを舐めさせながら「回る」という動きを覚えさせます。
STEP3 おやつを与えるタイミング
一周回って飼い主さんの正面に来たところでおやつを食べさせます。これを繰り返すと犬は回る動きがスムーズにできるようになっていきます。
手の動きに付いて回る動きができるようになって来たらおやつを舐めさせながらではなく、鼻先から少し距離を取ってやってみましょう。手の動きに付いて回ることができるようになるまで繰り返します。一周回るごとにおやつをあげましょう。回転する動きができるようになって来たら少しずつ回転のスピードを上げていきたいので、誘導する手の動きを早くしていきましょう。
できなければまた鼻先におやつを近づけるところからやり直します。
STEP4 おやつ無しでトレーニングする
手と鼻の距離を離して回れるようになったら次はおやつを持たずにできるようにトレーニングをしていきます。
誘導する方の手は人差し指を立てて指を差すような格好にします。まずは「シット」と声をかけて飼い主さんと向かい合っておすわりをさせます。人差し指を立てた手を飼い主さんの顎の辺りに出します。犬が注目したら大きく回します。犬が手の誘導で回転することができれば成功です。回転できたら飼い主さんの正面に来た時におやつをあげます。
できなければまたおやつをつまんでやるところに戻ってトレーニングをしましょう。できなかったら叱るのではなく1つ前のトレーニングに戻ることが大切です。
STEP5 コマンドを追加する
手の指示だけで回転できるようになったらコマンドを付けていきます。
飼い主さんと向かい合っておすわりをさせます。顎のあたりで指を立てて犬が注目したら「スピン」と言ってから手を回して誘導します。飼い主さんの正面に来たらおやつをあげましょう。
初めはスピンと言っても反応しませんがなんども行うことで犬は「スピンと言われた後には回る」ということを覚えていきます。
大切なことは犬が混乱しないためにもスピンとターンどちらかのみをできるようになるまで徹底的にさせることです。手の誘導がなくても「スピン」という声かけだけで回れるようになるまではターンのトレーニングを行ってはいけません。
スムーズに声の指示だけでスピンができるようになるまでスピンのトレーニングだけを繰り返しましょう。
犬の集中力が切れて来たら無理にトレーニングを続けても犬は習得できません。飽きて来たような様子が見えたらトレーニングは一旦止めて、時間を空けて行ったり、翌日に行うようにしましょう。
ターンのしつけ方
ターンを教えるためには犬の好きなおやつやドッグフードを使います。トレーニングをする時には、先におもちゃは片付けましょう。犬が気が散るのを防ぐためです。同様にテレビも消しておきましょう。
最終的に、コマンドだけでターンができるようになるのが目標です。
コマンドは「ターン」「まわれ」「ラウンド」などがありますが、家族で統一することが大切です。家族でコマンドを統一するのは、犬が混乱するのを防ぐためです。
犬の集中力は10分から15分程度しか続きません。犬が飽きて来たような雰囲気を出し始めたらダラダラと続けても意味がありません。1回のトレーニングの時間は10分程度で終えるようにしましょう。また気分が乗らないような時はその日のトレーニングは止め、翌日にするようにしましょう。これは犬がトレーニング自体が嫌いになってしまうことを防ぐためにも大切なことです。
やり方は基本的にスピンと同じです。
STEP1. ターンの教え方
もし犬が指示ど通りに動けなかったらおやつをつまんでやってみましょう。この時の鼻に当たる距離ではなく、犬の目線よりも高いくらいのところで誘導します。一回転できたら褒めておやつをあげましょう。何度も繰り返し、おやつで誘導しなくても回転できるようにしていきます。
STEP2. コマンドを加えていく
おやつを持たなくてもスムーズに回転できるようになったら、次はコマンドを教えていきます。コマンドは家族で統一したものなら何でもいいのですが、短い言葉の方が犬は覚えやすいようです。